東京国立博物館で2017年秋に開催中の運慶展の混雑状況と観覧するのにおすすめの時間帯を記載しています。
運慶展の見どころや所要時間、合わせていくことをおすすめする展覧会、会期終了後に運慶の仏像を見るための拝観情報なども盛りだくさんに紹介しています。
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Contents
運慶展の開催概要
- 会期 :2017年9月26日(火)~11月26日(日)
- 会場 :東京国立博物館「平成館」2階の特別展示室
- 休館日 :月曜日
- 開館時間:午前9時30分~午後5時00分
毎週金曜・土曜日は午後9時00分まで開館
(入館は閉館の30分前まで)
運慶展に巡回の予定はありません。
※運慶展が開催される東京国立博物館平成館2階の特別展示室内は写真撮影禁止です。
すばらしい仏像群やその他資料をしっかりと記憶に刻み付けましょう。
運慶展の混雑状況と待ち時間は?何時に行くのがおすすめ?
Sponsored Link博物館の展覧会は会期の終盤に近づくほど混雑する傾向があります。
展覧会のテレビ放送や口コミの影響で、会場に足を運ぶ人が増えるのです。
運慶展もNHKの「日曜美術館」や、BSではありますが「ぶらぶら美術・博物館」などの番組ですでに取り上げられており、テレビを視聴して興味を持った人も大勢来館しています。
なので、時期で言うなら早ければ早いほうが混雑状況はマシである可能性が高いです。
曜日はもちろん、平日の方が土日祝日より混雑していない傾向にあるのが一般的です。
時間帯だと、閉館時間の数時間前がおすすめです。
開館時間と同時に東京国立博物館に到着しても、すでに行列ができているので並ぶことになります。
朝早い時間であれば空いているというわけではなく、午前中は混雑しているのです。
さらに混雑している時間帯は、博物館入口にあるチケット売り場でも行列ができます。
事前にチケットを購入していなければ、チケット購入の行列と、運慶展会場の入場のための待ち行列に並ぶことになります。
12時が過ぎてランチタイムの時間帯になると、混み具合がマシになります。
そして、ランチタイムが終わってから15時台ぐらいまでは、また混雑します。
16時台になると混雑が緩和され、それからは閉館時間が近づくほど人が減ります。
閉館30分前になると、会場内の人混みがぐんと減るので、貸し切り状態までとは言えませんが、かなりガラガラの状態で堪能できます。
ただ、30分前に会場に行った場合、閉館時間を気にしながら観覧することになるので集中して観覧できません。
閉館の数時間前に行くのがおすすめです。
金曜日と土曜日は夜間開館日です。
開館時間が延長され、閉館がほかの曜日よりも遅い21時00分になります。
夜間会館の時間帯だと、会場内に入るための待ち時間が無いか、あっても10分程度で済む場合が大半なので、夜間開館日に行くほうがいいですね。
まとめると、
- 会期終了日が近づくほど混雑する傾向がある
- 土日祝日より平日が空いている
- 開館してから午前中の間はずっと混雑する
- ランチタイムは少し混み具合が緩和される
- ランチタイムの後から15時台までは混雑する
- 16時台から閉館時間が近づくほど空いていく
- 夜間開館の時間帯はほぼ並ばずに入場できる
ということで、金曜日の18時以降を最もおすすめします。
土日にしか行けない場合は、土曜日の18時以降が良いです。
運慶展の待ち時間は公式ツイッターで毎日発信されています。
チケット購入に関しては
- チケットを事前に購入しておくこと
チケットを購入していないなら、「公式オンラインチケット」で購入することをおすすめします。
チケット購入はオンラインチケットがおすすめ
オンラインチケットは文字通り、インターネット上で運慶展のチケットを購入するもの。
個人情報を入力して、クレジットカードで決済を行います。
購入したチケットは、入場時にプリントアウトしたものを提示するか、スマートフォンの画面を提示して使用します。
使用できるクレジットカードは下記の通り。
- VISA
- MASTER CARD
- JCB
オンラインチケットの料金は、運慶展の当日券と同じです。
東京国立博物館の窓口で当日券を購入するのと変わりません。
オンラインチケットは、電車の移動時間や運慶展の会場の待ち時間で購入できるので、チケットを持っていない場合はおすすめです。
オンラインチケットのURLは下記です。
http://www.e-tix.jp/unkei2017/
運慶展の割引きチケットの購入方法は?
前述の通り、チケット購入はオンラインチケットがおすすめですが、当日券と同じ値段です。
展覧会の会期前なら、当日券より200円ほど安い前売り券を購入することもできますが、会期中でも金券ショップに行けば前売り券と同じぐらいの値段でチケットを購入できる場合があります。
上野の森美術館で開催中の「怖い絵展」ぐらい人気の展覧会だと、金券ショップのチケットがすでに売り切れいる可能性が高い(兵庫県立美術館での「怖い絵展」開催時にはすぐに売り切れた)ですが、運慶展のチケットは11月2日(木)時点でも金券ショップで購入できました。
もちろん、会期終了直前になるほど、金券ショップのチケットは売り切れている可能性が高いので、その点は留意しておく必要があります。
夜の時間帯にはプロジェクションマッピングが実施される
夜の時間帯に東京国立博物館に行くと、運慶展に展示される仏像が本館の正面の外壁にプロジェクションマッピングで映し出されていました。
(運慶展の展示会場は平成館です)
無著世親像、八大童子像などの運慶展で展示されている仏像が一体ずつ映し出されます。
本館正面入口の外側は人気の写真撮影スポットとなっていました。
私が東京国立博物館に行ったのは夜間会館日の17時30分頃で、その時にはすでにプロジェクションマッピングが開始されていました。
11月の空は17時00分頃には暗くなるので、それぐらいの時間から投影が開始されているのかもしれません。
音声ガイドは声優の小野大輔さん
運慶展の音声ガイドのナレーターとして起用されたのは小野大輔さん。
小野さんは「ジョジョの奇妙な冒険」の空条承太郎や「黒執事」のセバスチャン・ミカエリス役を務めた声優です。
2007年~2008年のラジオ番組「小野大輔のGIGらNoight!」では”今週の仏陀”という仏像について語るコーナーがあったほどの仏像好き。
その小野さんの愛のこもったナレーションを是非聞いてみてください。
運慶展の見どころと楽しみ方は?
素人の独断に基づきますが、運慶展の楽しみ方を紹介します。
仏像の展覧会全般の醍醐味として後ろから回り込んで拝観できるというものがあります。
お寺で仏像を拝観するときは、正面か斜め前側からしか拝観できないことが一般的。
それに対して博物館での展示される場合は背面を鑑賞できることが多いです。
お寺で拝観したことがある仏像でも、博物館で展示される場合は後ろ側から見ることができるので、これが展覧会ならではの魅力なのです。
博物館で展示される場合でも壁際に展示される形式なら、仏像の周りを360度回って鑑賞できない場合が多々あります。
運慶展の展示作品数は、普段の特別展に比べて少ないため展示スペースに余裕があります。
展示数が多いなら壁際に展示されて背面を見学できない仏像が多くなりがちですが、運慶展では多くの仏像を背面からも鑑賞できるところが見どころです。
顔つきを比較するのも面白いです。
漫画家が書いたキャラクターのデザインは異なる作品でも似通っていることが多いですよね。
例えば藤子・F・不二雄さんの漫画の場合、「ドラえもん」と「キテレツ大百科」のキャラクターはデザインが似ています。
漫画は二次元で、仏像彫刻は三次元という違いはありますが、仏師の場合も同一の仏師が作成した仏像の顔つきを含めた作風は似通る傾向にあります。
運慶展に出陳されている仏像の場合だと、毘沙門天という仏像が複数展示されているので、同じ毘沙門天どうしで比較するとわかりやすいです。
まず、どちらも運慶作である願成就院の毘沙門天立像と浄楽寺の毘沙門天立像の顔つきが似ています。
顔の中で最も注視されがちなパーツの目の形は異なりますが、顔の系統は似ていることがわかるのではないでしょうか。
運慶周辺の仏師は名前に”慶”の字を含むことから「慶派」と呼ばれていますが、慶派の仏師が作った仏像もそれぞれ作風が似通ることが多いです。
運慶の長男・湛慶も当然ながら慶派の仏師です。
運慶展では湛慶が作った雪蹊寺の毘沙門天像も展示されています。
これは運慶の願成就院の毘沙門天像や浄楽寺の毘沙門天像と顔つきが似ているので、比較すると面白いですよ。
また、運慶展では大日如来坐像も複数展示されています。
円成寺の大日如来坐像、真如苑の大日如来坐像、光得寺の大日如来坐像で作風を見比べてみましょう。
運慶の仏像(あるいは運慶作と推定される仏像)の魅力は、実際にいそうな人というリアルな点も挙げられます。
運慶展では和歌山の金剛峯寺の不動堂に安置されていた八大童子立像が展示されています。
八大童子立像は、名前の通り8体の童子像なのですが、運慶によって造像されたとされるのは6体のみで、残りの2体は運慶より後の時代に造像されたものです。
そのため、運慶展で展示されるのは6体だけです。
リアルに感じるのは玉眼の効果もありますが、それだけでなく表情や体つきなどが自然です。
八大童子の中の一体に、矜羯羅童子(こんがらどうじ)という童子がいます。
この矜羯羅童子像が声優の檜山修之さんと似ていると話題になったことがあります。
現代に実在する人物とも酷似する運慶仏。おそるべし。
実際にいそうな人という意味では、仏像よりも歴史上のお坊さんを刻んだ肖像彫刻がすばらしいです。
その傑作が興福寺北円堂の無着世親像です。
今にも動き出しそうな像で、背面からその姿を見ると、背中が大きく見えます。
背中で語るイケテルおっちゃんな雰囲気も魅力的。
東大寺俊乗堂の重源上人坐像もリアルで、皴の表現もすばらしいです。
横顔を右側から見た時と左側から見た時の雰囲気が異なるので、ぜひ色んな角度から鑑賞してみてください。
運慶展ならではの見どころは、北円堂安置の無著世親像と南円堂安置の四天王像のコラボレーションです。
興福寺北円堂は運慶の晩年の作である弥勒如来坐像を本尊とするお堂です。
北円堂の弥勒如来像は運慶展では出陳されませんが、その弥勒如来像の両脇に配置されているのが運慶展で展示されている無着世親像です。
一方、興福寺南円堂は運慶の父・康慶作の不空羂索観音像を本尊とするお堂。
不空羂索観音像も運慶展では展示されないが、その周囲に配置されている四天王像が運慶展に出陳されています。
現在は南円堂に安置されているこの四天王像は、仏画などから当初は北円堂に安置されていたものが、いつの間にか、南円堂に移動させられたものではないかと見られています。
別々のお堂に安置されている北円堂の無着世親像と南円堂の四天王像は、当然ながら興福寺では同じお堂で拝観することはできません。
運慶展では、無着世親像と四天王像を同じ場所に配置し、両者を同じ場所で鑑賞できるようにしています。
会期中のみの夢のコラボレーションです。
北円堂の本尊・弥勒如来坐像は前述した通り運慶作に仏像で、同じく無着世親像も運慶の指揮によって造像された仏像。
運慶は平安時代末期に焼失した北円堂の仏像の再建を担当していたのです。
南円堂の四天王像の作者は明らかになっていませんが、もともと北円堂に安置されていたということや作風から運慶作ではないかという声が挙がっています。
ただし、運慶はある時期から如来像と菩薩像の目に玉眼を使用しなくなったものの、明王像と天部像には基本的に玉眼を使用しつづけています。
にもかかわらず、天部像である南円堂の四天王像には玉眼が使用されていません。
なので、南円堂の四天王立像の作者が誰なのか、2017年現在でははっきりとしていないのです。
今後の研究で作者が明らかになることに期待したいですね。
四天王像の作者が運慶であってもなくても、もともとは北円堂で一緒に安置されていたとみられる無著世親像と四天王像が同じ場所に展示される光景を見られるのは運慶展の見どころです。
彫刻作品が多い運慶展ですが、仏像以外の資料もいくつか展示されています。
例えば、願成就院の五輪塔形銘札や浄楽寺の月輪形銘札。
それぞれ仏像の中に納められていたもので、施主や仏師などが書かれています。
こういった資料は、その像の作者や造像の目的を知る手掛かりになります。
墨書きされた実物の文字は読みづらいですが、展示会場では実物の近くに説明書きがあるので、照らし合わせながら読むと読みやすいです。
書かれている内容はよくわからなくても「運慶」の部分だけでも確認できればいいです。
文字の資料は読めないし、読めても意味を掴みづらいことが多くなじみにくいですが、仏像の由来を知るために大切な文化財であることだけでも実感できれば十分だと思います。
運慶展観覧の感想は?見る時間はどのくらい必要?
個人的な感想になりますが…まず、これだけの数の仏像がそろう展覧会は少ないので楽しかった。
仏像が展示される展覧会はあっても、仏像ばかりをまとめて展示する展覧会は少ないです。
絵画や書跡など他の文化財とともに展示される展覧会が多く、200件ぐらい展示作品がある展覧会でも仏像は十数件だけという場合が多いのです。
なので、まとめて仏像を鑑賞できたことが嬉しいです。
それも運慶やその周辺の仏師の仏像なので、喜びはひとしお大きいですね。
お寺で拝観したことがある仏像で、久々に鑑賞したものも結構ありましたが、どれも記憶より大きく見えました。
お寺で拝観する時は、遠くから仏像を見ることが多いからかもしれません。
それだけ近くで鑑賞できるわけですから、見たことがある仏像が多い場合でもおすすめしたいです。
さらに後ろ側に回り込んで鑑賞できる仏像が多いのも展覧会の魅力で、はじめて背面を直に見た仏像が多数ありました。
観覧に必要な所要時間ですが、運慶展は展示作品数が比較的少ない展覧会です。
そのため他の東京国立博物館の特別展に比べれば鑑賞に時間がかからないかもしれません。
これは、すべての展示作品を見る場合に言えることなので、展示会場を一通り見てから気に入った作品だけ見る場合は別なのですが。
もちろん観覧にかける時間は仏像に対する興味の度合いによって変動するでしょう。
よくわからない分野の場合は、ざっと見るだけの人が多く、仏像についてある程度知っている人ほど時間をかけることになると思います。
参考までに、趣味でお寺に仏像を拝観しにいくことがある私の場合は、2時間程度かかりました。
運慶展を見に行くときの所要時間を考える際には、待ち時間も考慮して出かける必要がありますが、仏像を普段見ない人も観覧だけでも最低1時間は確保しておきたいところですね。
夜間開館日に行きましたが、19時台でもけっこう混雑していました。
閉館30分前の20時30分になると、かなり人が減って空いていました。
夜間開館日に行く場合は、一通りざっと見てから、閉館30分前になってから見たい仏像をゆっくり集中的に見るのがおすすめです。
運慶展のチケットで東京国立博物館の他の展示室も見学できる
東京国立博物館には運慶展が開催される平成館を含めて下記の展示施設があります。
東京国立博物館の展示施設
- 本館
- 平成館
- 東洋館
- 法隆寺宝物館
- 表慶館
- 黒田記念館
ちょっとブレてます(汗)
運慶展のチケットで上記のうち、
- 本館
- 平成館1階の展示室(運慶展以外の展示室)
- 東洋館
- 法隆寺宝物館
を観覧できます。
表慶館では、2017年9月12日(火)~11月26日(日)まで…つまり運慶展の会期終了日まで「フランス人間国宝展」が開催されています。
フランス人間国宝展の観覧は、運慶展のチケットとは別料金です。
黒田記念館は運慶展のチケットの有無と無関係に無料で見学できます。
黒田記念館だけは、場所が東京国立博物館の他の展示施設とは少し違いますし、夜間会館日でも午後5時00分に閉館するのでご注意ください。
↓は黒田記念館の場所とアクセス方法です。
運慶展を観覧する際に合わせて見学することをおすすめしたい場所があるので紹介します。
運慶展とセットで行くのがおすすめな展示は?
運慶展とセットで行くのがおすすめの展示は下記です。
- 運慶の後継者たち―康円と善派を中心に(東京国立博物館本館1階14室)
- ジャンル別展示の彫刻の展示室(東京国立博物館本館1階11室)
- びわ湖長浜観音ハウス(びわ湖長浜観音ハウス)
運慶の後継者たち―康円と善派を中心に
「運慶の後継者たち―康円と善派を中心」では、運慶より後の世代の鎌倉時代の仏師が造った仏像が展示されています。
康円(こうえん)は運慶の孫です。
運慶の周辺には名前に”慶”の文字を含む仏師が多いことから「慶派」と呼ばれているように、名前に”善”の字を含む善派(ぜんぱ)という仏師集団もいました。
この展示では、康円と同時期に活躍した善派の善円(ぜんえん)という仏師の作品を中心に、運慶以後の鎌倉時代の彫刻を観覧することができます。
会場は本館1階の14室。
運慶展が開催されている平成館と本館は内部で繋がっていて、1階の屋内で両館を行き来することができます。
ジャンル別展示の彫刻の展示室
東京国立博物館本館の1階では、漆工・金工・刀剣・陶磁などジャンル別に文化財が展示されています。
ジャンル別展示の中には彫刻の展示室もあります。
数ヶ月ごとに展示替えが行われているので展示内容は常に同じではありません。
運慶展の会期の後半にあたる2017年11月は、運慶が活躍する前の11~12世紀(平安時代後期)の仏像や、後の13~14世紀(鎌倉時代~南北朝時代)の仏像が展示されています。
平安時代後期に流行した仏師・定朝の様式に影響を受けた仏像や、運慶の長男・湛慶の千手観音立像(京都・三十三間堂の寄託)もあるので、運慶の仏像と比較すると楽しみが増すのではないでしょうか。
こちらの展示室は、「運慶の後継者たち―康円と善派を中心」から近い本館1階の11室にあります。
東京国立博物館の展示施設ではないですが、上野公園にあって東京国立博物館から徒歩で行ける「びわ湖長浜観音ハウス」もおすすめです。
びわ湖長浜観音ハウス
びわ湖観音ハウスでは、滋賀県長浜市に伝来する観音像を1体拝観できます。
長浜市は「観音の里」として仏像好きに親しまれている街です。
2~3ヶ月ごとに展示される観音像が入れ替わるのですが、運慶展の会期の中期から後期にあたる2017年9月20日(水)~11月26日(日)は、長浜市南郷町の聖観音立像(長浜市指定文化財)を拝観することができます。
長浜市南郷町の聖観音像は、平安時代後期作。
運慶が活躍する前の時代の仏像に見られる温和な作風の観音像です。
東京国立博物館から徒歩で行ける場所にあるので仏像が好きな人、運慶展を観覧して仏像に興味を持った人におすすめしたい場所です。
↓下記は、びわ湖長浜観音ハウスの場所とアクセスです。
運慶展に出陳した仏像の会期終了後の拝観情報
「運慶展の会場が混雑していて、落ち着いて仏像を拝することができなかった。」
「運慶展で展示された仏像を会期終了後に所蔵先のお寺などで拝観するにはどこに行けばいいのか?」
などと、気になっている方がいるかもしれません。
ここでは運慶展に出陳された仏像を会期終了後に拝観するための拝観情報を紹介します。
阿弥陀如来および両脇侍坐像 長岳寺
- 拝観できる場所:長岳寺本堂(奈良県天理市)
- 拝観できる期間:通年
長岳寺の阿弥陀如来坐像および両脇侍坐像(重要文化財)の3体は、通常拝観できる仏像です。
長岳寺の本堂で拝観可能。
興福寺や東大寺がある奈良市からは少し離れていますが、電車ですぐに移動できる距離なので、合わせていくこともできます。
毘沙門天立像 東京国立博物館
- 拝観できる場所:東京国立博物館
- 拝観できる期間:不定期
東京国立博物館所蔵の毘沙門天立像は、見たことがあるのかないのか記憶が曖昧です(汗)
展示される場合は恐らく彫刻のジャンル別展示が行われている東京国立博物館本館1階11室で展示されるでしょう。
数ヶ月ごとに展示替えが実施されているので、展示内容の確認が必要です。
地蔵菩薩坐像 瑞林寺
- 拝観できる場所:瑞林寺大願王殿(静岡県富士市)
- 拝観できる期間:毎年8月15日の午前中
瑞林寺の地蔵菩薩坐像(重要文化財)は以前は、事前予約で拝観できましたが、現在は毎年8月15日の午前中の御開帳の時のみ拝観可能となっているようです。
大日如来坐像 円成寺
- 拝観できる場所:円成寺多宝塔(奈良市)
- 拝観できる期間:通年
運慶作の円成寺大日如来坐像(国宝)は通常拝観できます。
多宝塔に安置。
円成寺は奈良市にある寺院ですが、興福寺や東大寺のように市街地にあるわけではなく、忍辱山という山にあります。
JRの奈良駅、近鉄奈良駅から路線バスが出ていますので、奈良の市街地の観光と合わせて行けます。
仏頭 興福寺
- 拝観できる場所:興福寺国宝館(奈良市)
- 拝観できる期間:通年
運慶作の興福寺仏頭は、興福寺の国宝館で通常拝観可能。
ただし、興福寺国宝館は2017年末まで耐震改修工事のため閉館しています。
リニューアルオープン後の会館は2018年1月1日。
四天王立像(康慶作) 興福寺
- 拝観できる場所:興福寺中金堂?
- 拝観できる期間:2018年10月20日(土)以降か?
康慶作の興福寺・四天王立像(重要文化財)は、仮金堂に安置されていました。
興福寺では中金堂の再建が行われており、工事の進行に伴って「仮金堂」は「仮講堂」に名前を改めました。
旧仮金堂…仮講堂に安置されていた四天王立像は、中金堂に移されます。
中金堂の落慶法要は2018年10月7日(日)~11日(木)で、一般の参拝は2018年10月20日(土)からの予定です。
なので中金堂に安置される四天王立像を拝観できるのは、10月20日以降だと思われます。
法相六祖坐像 興福寺
- 拝観できる場所:興福寺国宝館(奈良市)
- 拝観できる期間:通年
法相六祖坐像(国宝)は興福寺国宝館で通常拝観可能。
ただし、興福寺国宝館は2017年末まで耐震改修工事のため閉館しています。
リニューアルオープン後の会館は2018年1月1日。
毘沙門天立像 願成就院
- 拝観できる場所:願成就院大御堂(静岡県伊豆の国市)
- 拝観できる期間:通年
運慶作の願成就院毘沙門天立像は、願成就院の大御堂で通常拝観できます。
願成就院には、運慶展に出陳しなかった運慶の仏像である阿弥陀如来坐像・不動明王立像および二童子立像の4体もあり、これらも大御堂で通常拝観可能。
阿弥陀如来坐像および両脇侍立像 浄楽寺
- 拝観できる場所:浄楽寺収蔵庫(神奈川県横須賀市)
- 拝観できる期間:毎年3月3日・10月19日に特別公開
それ以外の日は事前予約で拝観可能
運慶作の浄楽寺阿弥陀如来坐像および両脇侍立像は、浄楽寺の収蔵庫に安置されています。
毎年3月3日と10月19日は予約不要で拝観できます。
それ以外の日に拝観する場合は、拝観の1週間以上前に事前予約が必要です。
不動明王立像 浄楽寺
- 拝観できる場所:浄楽寺収蔵庫(神奈川県横須賀市)
- 拝観できる期間:毎年3月3日・10月19日に特別公開
それ以外の日は事前予約で拝観可能
運慶作の浄楽寺不動明王立像の拝観は、阿弥陀如来坐像および両脇侍立像と同様です。
毘沙門天立像 浄楽寺
- 拝観できる場所:浄楽寺収蔵庫(神奈川県横須賀市)
- 拝観できる期間:毎年3月3日・10月19日に特別公開
それ以外の日は事前予約で拝観可能
運慶作の浄楽寺毘沙門天立像の拝観は、阿弥陀如来坐像および両脇侍立像、不動明王立像と同様です。
地蔵菩薩坐像 六波羅蜜寺
- 拝観できる場所:六波羅蜜寺宝物館(京都市)
- 拝観できる期間:通年
運慶作の六波羅蜜寺・地蔵菩薩坐像は、六波羅蜜寺の宝物館で通常拝観できます。
宝物館では運慶と湛慶の肖像彫刻も拝観可能です。
大日如来坐像 真如苑真澄寺
- 拝観できる場所:真如苑
- 拝観できる期間:2018年以降か?
真如苑の大日如来坐像(重要文化財)は、2018年中に一般公開できるように準備中とのこと。
大日如来坐像 光得寺
- 拝観できる場所:東京国立博物館
- 拝観できる期間:不定期
運慶作の光得寺・大日如来坐像(重要文化財)は、東京国立博物館に寄託されています。
ジャンル別展示の彫刻の展示室にあたる本館1階11室で、過去に拝観したことがあります。
数ヶ月ごとに展示替えが実施されているので展示内容は一定ではありません。
八大童子立像 金剛峯寺
- 拝観できる場所:高野山霊宝館
- 拝観できる期間:不定期
運慶作の金剛峯寺・八大童子(国宝)は通常非公開の仏像です。
公開期間や頻度も不定期で、高野山霊宝館で展示されることがあります。
過去の傾向からすると、夏の時期に展示されることが多いです。
展示される場合も8体の童子のうち1~2体のみが展示されることが多いです。
稀に運慶展に出陳した6体がそろったり、後補の2体も合わせた8体がそろって展示されます。
聖観音菩薩立像 瀧山寺
- 拝観できる場所:瀧山寺宝物殿(愛知県岡崎市)
- 拝観できる期間:通年
運慶作の瀧山寺・聖観音菩薩立像は瀧山寺の宝物殿で通常拝観できます。
運慶展に出陳しなかった梵天立像・帝釈天立像も宝物殿に安置されているので、合わせて拝観できます。
無著菩薩立像・世親菩薩立像 興福寺
- 拝観できる場所:興福寺北円堂(奈良市)
- 拝観できる期間:毎年春と秋の2~3週間
運慶作の無著世親像(国宝)は、興福寺の北円堂に安置されています。
北円堂は通常非公開のお堂で、毎年春と秋にそれぞれ2~3週間のみ特別公開されます。
北円堂の本尊は運慶作の弥勒如来坐像(国宝)です。
弥勒如来坐像は運慶展に出陳されませんでしたが、北円堂の特別公開時に無著世親像とともに拝観することができます。
四天王立像 興福寺
- 拝観できる場所:興福寺南円堂
- 拝観できる期間:毎年10月17日
興福寺南円堂は通常非公開のお堂で、毎年10月17日にのみ特別公開されます。
内部に安置されている四天王立像(国宝)も特別公開の日だけ拝観できます。
大威徳明王坐像 光明院
- 拝観できる場所:金沢文庫(神奈川県横浜市)
- 拝観できる期間:不定期
運慶作の大威徳明王坐像(重要文化財)は金沢文庫で管理されています。
公開時期は不定期です。
2018年1月13日(土)~3月11日(日)に金沢文庫で開催される特別展「運慶 鎌倉幕府と霊験伝説」で展示されます。
観音菩薩立像・勢至菩薩立像 清水寺
- 拝観できる場所:京都国立博物館(京都市)
- 拝観できる期間:不定期
清水寺の観音菩薩立像と勢至菩薩立像(ともに重要文化財)は、京都国立博物館に寄託されています。
京都国立博物館の平成知新館1館の彫刻展示室(1F-1)で拝観したことがあります。
平成知新館は京都国立博物館で常設展示が実施されている展示施設ですが、数ヶ月ごとに展示替えが実施されるため、展示内容は一定ではありません。
さらに、京都国立博物館で特別展が実施される明治古都館は2017年現在、工事のため休館中です。
そのため、特別展が通常は常設展を実施する施設である平成知新館で行われています。
つまり、京都国立博物館で特別展が実施されている期間は常設展が行われないということで、なおさら清水寺の観音菩薩立像・勢至菩薩立像の公開時期は不定期と言えます。
多聞天立像 東福寺
- 拝観できる場所:東福寺本堂(京都市)
- 拝観できる期間:通年
東福寺の多聞天立像は、東福寺本堂(仏殿)に安置されています。
東福寺に参拝したことがあるのに記憶にないのは、参拝者から遠すぎて見えづらい位置にあるからかもしれません。
重源上人坐像 東大寺
- 拝観できる場所:東大寺俊乗堂(奈良市)
- 拝観できる期間:毎年7月5日と12月16日
運慶作の重源上人坐像(国宝)が安置されている東大寺の俊乗堂は通常非公開のお堂です。
毎年7月5日と12月16日にのみ特別公開されます。
俊乗堂には快慶作の阿弥陀如来立像と平安時代の愛染明王坐像も安置されているので、これらの像も合わせて拝観できます。
観音菩薩立像・地蔵菩薩立像 満願寺
- 拝観できる場所:満願寺収蔵庫(神奈川県横須賀市)
- 拝観できる期間:予約にて拝観可能
満願寺の観音菩薩立像と地蔵菩薩立像(ともに重要文化財)は満願寺収蔵庫に安置されています。
予約すれば拝観可能とのこと。
満願寺からそう遠くはない場所に浄楽寺があります。
浄楽寺では運慶作の阿弥陀如来坐像および両脇侍像と不動明王立像、毘沙門天立像の5体を拝観できるので合わせて参拝するのも良いかもしれません。
四天王立像 海住山寺
- 拝観できる場所:奈良国立博物館(奈良市)
- 拝観できる期間:不定期
海住山寺の四天王立像(重要文化財)は奈良国立博物館に寄託されています。
毎年一定期間、奈良国立博物館のなら仏像館に展示されている印象があります。
奈良国立博物館の夏の特別展でも展示実績があります。
毘沙門天立像・吉祥天立像・善膩師童子立像 雪蹊寺
- 拝観できる場所:雪蹊寺霊宝館(高知市)
- 拝観できる期間:拝観予約が必要
雪蹊寺の毘沙門天立像・吉祥天立像・善膩師童子立像(いずれも重要文化財)は雪蹊寺霊宝館に安置されています。
仏像の拝観は予約が必要です。
雪蹊寺に行くなら、同じ高知市にある竹林寺の参拝もおすすめです。
慶派の仏像を拝観できるという意味ではないのですが、竹林寺には重要文化財の仏像が10体以上あり、霊宝館で拝観できます。
竹林寺の霊宝館は予約不要で通年拝観可能です。
神鹿 高山寺
- 拝観できる場所:京都国立博物館(京都市)
- 拝観できる期間:不定期
高山寺の神鹿像は京都国立博物館に寄託されています。
京都国立博物館で常時拝観できるわけではありません。
京都国立博物館の平成知新館1階には彫刻の展示室(1F-1)があり、数ヶ月ごとに展示替えが行われているので、今後公開される時期があるかもしれません。
2014年秋の「国宝 鳥獣戯画と高山寺展」(鳥獣戯画展)で展示された実績がありますので、テーマにもよりますが特別展で出陳される可能性も少なからずあります。
子犬 高山寺
- 拝観できる場所:高山寺石水院(京都市)
- 拝観できる期間:通年
高山寺の子犬像は、高山寺石水院で通常拝観できます。
高山寺は京都市の市街地から少し離れた山にあります。
高山寺はその周囲にある神護寺と西明寺とともにセットで参拝されることが多いです。
神護寺は薬師如来立像(国宝)と五大虚空蔵菩薩坐像(国宝ですが、こちらは毎年春と秋のみ公開)を拝観できます。
西明寺は清凉寺式釈迦如来立像や千手観音立像が魅力的です。
善妙神立像 高山寺
- 拝観できる場所:京都国立博物館(京都市)
- 拝観できる期間:不定期
高山寺の善妙神立像は神鹿像と同様に京都国立博物館に寄託されています。
2014年秋の「国宝 鳥獣戯画と高山寺展」(鳥獣戯画展)で展示された実績があるのも、神鹿像と同じです。
京都国立博物館の平成知新館1階にある彫刻の展示室(1F-1)で展示されるか、今後の特別展での公開を待ちましょう。
千手観音菩薩坐像光背三十三神像のうち迦楼羅・夜叉・執金剛神 妙法院
- 拝観できる場所:三十三間堂(京都市)
- 拝観できる期間:通年
迦楼羅・夜叉・執金剛神の3体は、千手観音菩薩坐像(国宝)の光背についています。
三十三間堂は通常拝観できるお堂なので、千手観音菩薩坐像と光背も通年公開されています。
千手観音菩薩坐像は大きな仏像ですが、三十三間堂で拝観する際の距離は少し遠いです。
そのため、光背についている小さな仏像はとても見づらいです。
天燈鬼立像・龍燈鬼立像 興福寺
- 拝観できる場所:興福寺国宝館(奈良市)
- 拝観できる期間:通年
興福寺の天燈鬼立像と龍燈鬼立像(ともに国宝)は興福寺の国宝館で通年拝観できます。
ただし、興福寺国宝館は2017年末まで耐震改修工事のため閉館しています。
リニューアルオープン後の会館は2018年1月1日。
十二神将立像のうち辰神・巳神・未神・申神・戌神 東京国立博物館
- 拝観できる場所:東京国立博物館
- 拝観できる期間:不定期
京都の浄瑠璃寺の伝来とされる12体の十二神将像のうち、5体を東京国立博物館が所有し、残り7体を後述する静嘉堂文庫美術館が所有しています。
東京国立博物館が所有する5体は、ジャンル別展示の東京国立博物館平成館1階11室で展示される機会があるかもしれません。
十二神将立像のうち子神・丑神・寅神・卯神・午神・酉神・亥神 静嘉堂文庫美術館
- 拝観できる場所:静嘉堂文庫美術館
- 拝観できる期間:不定期
京都の浄瑠璃寺の伝来とされる十二神将像のうちの7体です。
静嘉堂文庫美術館の展覧会で展示されることがあります。
運慶展に出陳しなかった運慶の仏像の拝観情報
運慶作の仏像と運慶作の可能性がある仏像の合計は33体です。
運慶展ではそのうち22体が展示されました。
展示されなかった残りの9体の拝観情報を紹介します。
阿弥陀如来坐像・不動明王立像および二童子立像 願成就院
- 拝観できる場所:願成就院大御堂(静岡県伊豆の国市)
- 拝観できる期間:通年
運慶作の阿弥陀如来坐像・不動明王立像および二童子立像の4体は、運慶展で展示された毘沙門天立像とともに願成就院の大御堂に安置されています。
いずれも通常拝観可能です。
梵天立像・帝釈天立像 瀧山寺
- 拝観できる場所:瀧山寺宝物殿(愛知県)
- 拝観できる期間:通年
運慶作の瀧山寺・梵天立像と帝釈天立像は、瀧山寺宝物殿で通常拝観できます。
運慶展に出陳された聖観音立像も宝物殿に安置されているので、合わせて拝観可能です。
弥勒如来坐像 興福寺
- 拝観できる場所:興福寺北円堂(奈良市)
- 拝観できる期間:毎年春と秋の2~3週間
運慶作の弥勒如来坐像(国宝)は、興福寺の北円堂に安置されています。
北円堂は通常非公開のお堂で、毎年春と秋にそれぞれ2~3週間のみ特別公開されます。
運慶展に出陳された無著世親像も北円堂に安置されており、特別公開時に弥勒如来坐像とともに拝観することができます。
金剛力士立像(阿形像・吽形像) 東大寺
- 拝観できる場所:東大寺南大門(奈良市)
- 拝観できる期間:通年
運慶作の金剛力士像(国宝)は、東大寺の南大門に安置されています。
南大門は拝観料もいらず、24時間拝観できる建造物です。
あまりにも大きすぎて東京国立博物館で展示できなかったのでしょう。
運慶展は仏像に興味がある人はもちろん、ない人にもおすすめの展覧会です。
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